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鉛蓄電池は流石にもう・・

更新日:2022年2月17日

茨城県の坂東ゴルフクラブ様。お待たせしていた第3便のお届けにお伺いしてまいりました。

今回で50台体制に。これまで軽微なものも含めてただの一度もトラブルなし

鉛蓄電池の歴史は古くすでに150年以上の歴史があります。

色んな種類があるとは言うものの基本的には鉛と希硫酸の反応で蓄電する仕組みになります。特に写真に写っているディープサイクルバッテリーは大容量の充電放電を繰り返す事ができる高性能バッテリーとしてこれまで電動車両に多く使われてきました。


リチウムバッテリーが登場してからも安全性や価格の問題もあり、依然として主役の座を守って来たのですがいよいよ終わりに近づいている気がしています。

いま鉛も含めて金属の買取価格が高騰しているので売るなら今がチャンス!


鉛バッテリーは安全?

お客様とお話させていただく中で皆さん必ず気にされるのがリチウムバッテリーは危ないんじゃないか?ということ。これはリチウムバッテリーが世に出だした当初にゴルフバッテリー用としてテストされていたものが立て続けに燃えたという事実がゴルフ業界の中で広く知られておりリチウム=危険との認識が定着しているようです。

断言しますが、少なくともROYPOWのリン酸鉄リチウムバッテリーは従来の鉛バッテリーより遥かに安全なものに進化を遂げています。同じリチウムでもニッケルやコバルトを使用するNMCバッテリーと違い名前の通りリン酸と鉄で構成されるLFPバッテリーはエネルギー密度はそれほど高くない反面爆発的な反応が起こりにくいため非常に安全なバッテリーとなります。


山盛りの緑青。じわじわ劣化が進みます。

これは。。本当に危険な状況。見た瞬間冷や汗出ました。

普段バッテリー交換をされておられる方にはおなじみのターミナル部分の劣化。写真上は典型的な緑青と下は何らかの原因でスパークした痕跡のものです。よく見ると緑青で腐食した端子がそのまま残っているのがわかります。このスパークにこれが関係していたのかどうかははっきりわからなかったのですが、鉛バッテリーは充電の際に可燃性のガスが出るので運悪くそれぞれが重なってしまった場合は最悪火災になることも十分ありえます。

LFPを始めとするリチウムの場合、充放電の内容は全てBMSと呼ばれるシステムによりモニターされている他、それ自体も含めなにか不具合が見られる場合は早い段階で安全装置が働くように作られています。あまり知られていませんが鉛バッテリーの場合充電器には異常を検知する機能を搭載したものもありますが、バッテリー本体には安全弁がある以外は危険を回避しリカバリーするような機能はありません。


鉛バッテリーは安い?


LFPの場合、毎日充電したとしても約10年劣化しない特性があるため本来はこの時点で間違いなくリチウムのほうが安いと言えます。ただし、問題は導入時のコスト。現在弊社で主力として販売しているバッテリーは105Ahという容量がメインで、その場合確かに通常鉛バッテリーの交換コストに比べ1.5倍から2倍となっております。台数が多いとなると導入時の差額はかなり大きくなるためネックになるのは確かです。。ただそれももう終わります。

人気モデルS51105

各メーカー少しづつ違いはありますが48Vの鉛バッテリー仕様の場合、おおよそ1.5Rから2Rが限界。弊社としてはLFPバッテリーの能力を最大限味わっていただける105Ahをおすすめしておりますが、走行距離に関しては鉛バッテリーと同等で問題なし(毎日充電する)というお客様もおられるのでこの秋からは容量を半分にして価格を抑えた50Ahモデルの販売も開始いたします。

105Ahモデルと異なるのは1度の充電で走れる航続距離だけ。もちろん、耐久性や安全性については全て上位のモデルと同じ性能となります。


とにかく重い・・

大容量の充放電に対応するために分厚い鉛が入っているためとにかく重いのがディープサイクルバッテリー。交換時にはまずこの劣化したバッテリーを取り外す作業が必要となります。

写真のこの日、おろしたバッテリー108個で3トン超え。煩悩の数を数えながら最後は悟りが開けそうでした。

写真上のこのタイプで1個あたり約30キロ。これが6本載っているとなると1台あたり約180キロ。20台だと当たり前ですが3600キロになります。まずこれを降ろさないことにはLFPへの載せ替えが出来ないためにやるしかありませんが流石にかなりの重労働。。

ドライブスルーのようになってます。出来上がったカートは向こうの扉から出動!

鉛バッテリーをおろした順にLFPバッテリーに載せ替えられていくカート。最後に少し充電され・・すぐに戦線復帰していきます。(下)たとえ充電の途中でも容量が残っていると判断できれば問題なく使用できるのもリチウムバッテリーの特徴です。

翌日の早朝プレイ用にスタンバイのカートたち。今帰ってきたばかりLFP仕様カートもそのまま並びます。

最大70組近いラウンドを支える乗用カート。LFPに載せ替えたものは載せ替えで2ラウンド走行も楽々こなしています。こちらのお客様の場合、今回で3回目の交換。最初はあまりにも話しが良すぎると思って少し疑っておられたようで、まずはテストしてからとお考えだったようですが実際に毎日使っていただいてご納得いただけ今回で3回目の取り付けとなりました。秋までには90台以上のLFPカートが走ることになります。


弊社販売の電動立ち乗りカートMOVE用新旧バッテリー

弊社でも旧モデルのユーザー様向けにはまだまだ従来鉛バッテリーも販売しております。正直・・数年に一度まとまった売上となる鉛のバッテリー交換は営業的には非常にありがたい存在です。ただ、ここまで性能が違うとなると、お客様にとってのデメリットが大きいということではっきりとリチウムのほうがオススメである旨をお伝えしております。 ちなみに、鉛バッテリーモデルからリチウムに簡単に載せ替えなんて出来ないとお考えの方もおられるというかそういうふうに説明されている業者さんもおられるようなのですが、正直、殆どの場合で問題なく載せ替えられます。言い方は悪いのですがバッテリーはただの電池・・電圧と電流、温度程度しか情報はとれません。給電されるシステムとしてもそれを前提にしているので許容範囲の電圧、電流で給電される限り喜んで正常に動くようにできているのです。


長々と書きましたが・・

結論、鉛バッテリーが勝る要素はほぼない!

ということ。私がユーザーさんだったら・・という視点で考えるときにほんとうに勝る要素が0なんじゃないかなと思います。

弊社としてもこれまでずっとお世話になった鉛バッテリーですが、流石にもうそろそろ引退かなと思っている今日このごろです。

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