以前ご紹介していたHITACHI 製ゴルフカートへの載せ替え事例となります。
今回ご採用いただいたのは岐阜県の三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース様。山あいに広がる美しい18Hです。
搭載カートは日立製5人乗り乗用カート。カート道を自走する方式でお使いになられています。すでに導入から10年とのことでしたが非常によく整備されておられるのでカートの状態は良好。今回の導入いただいたバッテリーが3500回の充電に耐えるものになりますのであと10年使うとおっしゃられておられました。今回の交換で大きく軽量化されカートに優しくなったことも有り十分可能なお話だと思います。
今回お伺いしたのは実は少し細かなトラブルがあったため。というのは、こちらのコースでは12月から導入テストをしていただいておりましたが、その際のテスト結果から4バッグの営業使用でもらくらく3ラウンドをこなしていたためそのルールで使用していたところ今回3ラウンド目でバッテリー切れになってしまったというもの。
慌てて弊社スタッフが急行してバッテリーに内蔵されているBMSのデータをチェックさせていただいたところ3R目のスタート時点で残量が約30%となっており、その後ナビの充電等も行いながら走行したところ、途中で残量がなくなってしまったというデータがはっきりと残っておりました
この事例からわかった情報が2つ。
まず、今回なぜいつもより早いペースで残量がなくなってしまったかについてですが、おそらく寒さであろうと考えています。いいこと尽くめのLFPですがほぼ唯一と言っていい弱点がこの低温に対する弱さ。他の種類のバッテリー同様、氷点下のような条件下ではやはりバッテリーの能力が少し落ちます。詳しくお聞きしたところ、該当する期間に日中でも氷点下の日があり通常25%程度で走行できるところが35%前後消費していたため、3ラウンド目で電欠状態になってしまったということになります。
とはいうものの、これはあくまで温かいときに比べて能力が落ちるという話で、このバッテリーはマイナス20度でも放電が可能。事実、こちらのコースでも最近マイナス10度を記録しているそうです。特に気温が低い状態ではいつもより電力消費が早くなるという認識で少し余裕を持って充電していただく必要がありそうです。まずこれが一つ。
もう一つがこのバッテリーのBMSの頼もしさ。バッテリー残量がゼロになる瞬間まで克明にすべての情報を把握しているようです。それも2秒毎。これまでのバッテリーであればすべて状況証拠と推測だけであれこれ話しをしていましたが、バッテリーの動き全てが克明に記録されていくためトラブルの原因も明確に判定が可能です。
帰ってきたカート。通常の流れであればそのままカート庫に充電に向かいますがLFPバッテリー搭載カートはこのまま整列。業務終了後、翌日の利用に備えてスタート室前の軒下に並ぶとのことです。
1ラウンド終わって帰ってきたカートのインジケータはこんな感じ。この状態で71%〜80%の残量となります。この状態なら全く充電の必要なし。ペース的にも確かに3ラウンド可能です。
今回、日立のカートに搭載は弊社でも初めてだったため少し不安な部分もあったのですが概ね問題なくしっかり働いてくれているようで一安心。暖かくなった頃にもう一度お伺いして温度変化でどの程度の差がでるかについてもレポートさせていただこうと思います。